歯の豆知識

一口30回はなぜ??

みなさん、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

「一口30回噛みなさい」

子どものころに学校や家庭で言われた方も多いと思います。

でも、なぜ“30回”なのか、疑問に思ったことはありませんか?

結論から言うと、それは健康のためなんです!

とはいえ、「健康のためなら50回でも100回でも噛んだほうがいいのでは?」と思いますよね。

実は“30回”という数字には、ちゃんとした由来があるのです☝️

30回の由来はイギリスから!

今から約110年ほど前、イギリスの政治家 ウイリアム・グラッドストーン氏 が、健康の秘訣を尋ねられた際にこう答えました。IMG_8980

「天は私たちに32本の歯を与えました。だから、歯の数と同じ回数だけ噛むようにしています。そのおかげで家族全員が元気です。」

この言葉が「一口30回噛む」という考え方の始まりといわれています。

グラッドストーン氏の話を聞いたのが、後にフレッチャーイズム(噛み噛み健康法)を広めたホーヌス・フレッチャー氏でした。

フレッチャー氏の噛み噛み健康法とは?

フレッチャー氏はアメリカの実業家であり、美食家でもありました。

豪華な邸宅には5人の専属シェフを抱え、世界中の美味しい料理を日々味わう生活を送っていました🍖🍰

しかしその贅沢な食生活の結果、フレッチャー氏は徐々に体重が増え、いわゆるメタボ体型に…。IMG_8982

以前は活発に世界を飛び回っていたのに、次第に体がだるく感じるようになってしまいました💦

ある日、健康の不安から生命保険に加入しようとしますが、健康診断の結果、医師から「このままでは加入できません」と言われてしまいます😱

ショックを受けたフレッチャー氏は、ダイエットに挑戦しますが、なかなか成果が出ません。

そんな時にふと、以前聞いたグラッドストーン氏の「よく噛む健康法」を思い出しました💡

そして彼は以下の3つのルールを実践します。

1. 本当に空腹を感じたときだけ食べる

2. 新鮮な食材をシンプルに調理して食べる

3. よく噛み、ゆっくり味わいながら食べる

5か月後の驚くべき変化!IMG_8983

この3つを守り続けた結果、フレッチャー氏はわずか5か月で28kgの減量に成功!

さらにお腹まわりは60cmも細くなったのです✨

それだけではなく、体型だけでなく、疲れにくい体になり、持久力も向上しました。

この経験をもとに、フレッチャー氏は「噛み噛み健康法」の効果を世界中で説いてまわるようになりました🗣️

よく噛むと栄養の吸収力がアップ?!

フレッチャー氏は「よく噛むと、うんちの量が減る」とも語っています。

これは、食べ物をしっかり噛むことで消化吸収が促進され、同じ量を食べても体がより多くの栄養を取り込めるということ。

実際に、咀嚼回数と成長の関係を調べた実験では、よく噛む人は噛まない人に比べて、身長・体重・胸囲などの発育が良いという結果も出ています。IMG_8981

また、疲労度を比較しても、よく噛む人のほうが疲れにくいという結果が示されました✨

このことから、「よく噛むこと」は単に消化を助けるだけでなく、体全体の健康や発達にも深く関係していることが分かります。

日本にも“噛み噛み先生”がいた!

日本にも「一口30回噛む」ことを100年以上続けた人物がいます。

その方は、107歳まで生きた ショウチサブロウ先生 です。

ショウチ先生は、3歳のときに大きな病気を患いました。

そのときお母さんから「一口30回噛みなさい」と教えられ、それを生涯守り続けました。

なんと100年以上も毎日30回噛む習慣を継続していたのです😳

先生が100歳のときに行った脳の検査では、なんと脳の反応年齢が30代と診断されました。

背筋はまっすぐ、歩くスピードも速く、まるで80代前後の元気な方のようだったそうです‼️

歯を失っても「よく噛む」ことはできる!

ショウチ先生は75歳のときに総入れ歯になりました。

当時は今のような歯科技術がなく、虫歯や歯痛があれば抜歯するしかない時代。

しかし、総入れ歯になっても先生は餅や煎餅、ナッツ類など硬いものも食べていたといいます。

その理由は、しっかり噛める義歯を使っていたこと

入れ歯でも「よく噛む」ことで唾液がたくさん出て、口の中が潤い、義歯の安定も良くなるのです。

つまり、歯が自分のものではなくても、「噛む」ことを意識すれば健康は保てるということなんです🍚

噛むことで得られる5つの健康効果


1. 消化を助ける

食べ物が細かくなり、胃腸の負担が軽減します

2. 満腹感を得やすい

噛むことで満腹中枢が刺激され、食べすぎを防ぎます。

3. 脳を活性化

 噛む刺激は脳に血流を送り、集中力や記憶力アップにつながります。

4. お口の健康維持

 唾液の分泌が増え、虫歯や口臭の予防になります。

5. 表情筋のトレーニング

 しっかり噛むことで顔の筋肉が鍛えられ、若々しい表情を保てます✨

🦷まとめ🦷

「一口30回噛む」という言葉には、100年以上の歴史と、世界中の健康哲学が詰まっています。

ただの習慣のように思えるかもしれませんが、その積み重ねが消化力・免疫力・脳の働き・見た目の若さにまで影響しているのです。

忙しい現代では、つい早食いになりがちですが、今日の食事からぜひ「一口30回」を意識してみてください🍴

ゆっくり噛むことで、食事がもっとおいしく、そして健康的になるはずです☺️

※世界最強の歯科保健指導参照