子どもの歯について考えるとき、「乳歯はどうせ生え変わるから大事じゃない」と思ってしまう方も少なくありません。
実は、乳歯の健康状態は、その後に生えてくる永久歯に大きな影響を与えることをご存知ですか?
乳歯は永久歯を育てる“親の歯”。
そして永久歯は“一生つきあう自分の歯”なのです。
乳歯のむし歯は永久歯に影響する🦠❓
「永久歯のほうが大事でしょ。」という声はよく耳にします。
確かに永久歯は一度失ったらもう生えてきませんし、一生使っていく大切な歯です。
けれど調査データを見ると、3歳のときに乳歯にむし歯が多かった子は、12歳になっても永久歯のむし歯が多い傾向にあることが分かっています。逆に、乳歯のむし歯が少なかった子は、永久歯も健康なまま育ちやすいのです。
このことからも、乳歯の時期のケアが永久歯の健康に直結することが分かります。
乳歯は「土台」になる💡❓
乳歯には「食べる」「話す」といった役割はもちろん、永久歯が正しい位置に生えてくるための“道しるべ”という大切な役割があります。
もし乳歯が早く抜けてしまったり、むし歯でボロボロになってしまったら?
永久歯の並びや、かみ合わせにも影響してしまいます。
だからこそ、乳歯は「どうせ抜けるから」と軽視するのではなく、永久歯の未来を支える「親の歯」として大切にする必要があるのです。
「おやつの与え方」がカギ🔑❓
むし歯予防と聞くと「歯みがき」を思い浮かべる方が多いと思いますが、実はおやつの与え方もとても重要です。
・ダラダラと長時間食べ続けないこと
・時間や回数を決めてあげること
・砂糖の多いお菓子やジュースを控えること
こうした工夫だけでも、むし歯のリスクをぐっと減らすことができます。
子どもの気持ちは絵に出る🖼️❓
面白い研究として、幼稚園児に「歯みがきの塗り絵」をしてもらった例があります。
むし歯のない子が描いた絵は、にこにこした表情で楽しそうに歯みがきをしている姿。
一方、むし歯が多い子の絵には、歯が真っ黒に塗られたり、不安そうな顔が描かれていました。
子どもは言葉で上手に表現できなくても、絵を通して「むし歯への不安」や「痛みの経験」を表しているのです。
子どものおやつ、与え方ひとつで変わる🍬❓
子どものむし歯や肥満は、生活習慣が深く関わっています。なかでも注意したいのが「おやつのダラダラ食い」。欲しがるたびに与えていると、むし歯や肥満のリスクがぐんと高まります。
実は「おやつを規則正しく与えること」は、むし歯や肥満の予防だけでなく、子どもの心の発達にもつながるのです。
アンケート調査でも、時間を決めておやつを食べている子は歯の治療も落ち着いて受けられる傾向があるのに対し、欲しいときに自由にもらえる子は泣きやすく、治療が難しいという結果が出ています。
つまり、おやつ習慣は「我慢する力」や「耐える心」を育てるチャンスでもあるのです。例えば「10分前だからちょっと早いけど…」と与えるのではなく、「3時になったら一緒に食べようね」と約束を守る。そんな小さな積み重ねが、健全な心と体を育てます。
おやつの与え方を工夫するだけで、
- むし歯予防
- 肥満予防
- 心の健全な発達
この3つを同時に叶えられるのです。
毎日のおやつタイムを、子どもの未来を支える大切な習慣にしていきたいですね。
まとめ✏️
乳歯は「どうせ生え変わる歯」ではありません。
永久歯を正しく導き、健康な歯を守るための大切な“親の歯”。
乳歯の時期からむし歯予防に取り組むことが、将来の歯の健康につながります。
おやつの与え方や毎日の歯みがき、そして定期的な歯科健診。
小さな積み重ねが、子どもの一生の財産になる健康な歯を育てていくのです。
「乳歯を大切にすることは、未来の永久歯を守ること」
親子で一緒に歯の健康習慣を身につけていきたいですね。
※世界最強の歯科保健指導 参照